10歳ミニチュアシュナウザーのワンちゃんの歯石除去を行いました。
Before


After


べっとり付着していた歯石を除去し、とても綺麗になりました。
当院ではただいま歯石除去キャンペーン実施中により、多くのご予約をいただいております。
歯石除去の流れ、なぜ歯石除去は必要なのか、全身麻酔は大丈夫なのか、気になる費用についてお話させていただきます。
当院での歯石除去の流れ
1. 受診・術前検査(事前または当日朝)
事前のカウンセリングと丁寧な触診に加え、術前検査を行います。安全性が確認されて初めて、処置のスケジュールを確定します。
2. 静脈ルート確保・麻酔導入
処置当日は絶食でお越しいただきます。点滴のラインを確保し、安全に配慮しながら鎮静薬・麻酔薬を投与して入眠させます。速やかに気管チューブを挿管し、吸入麻酔と酸素による管理へ移行します。
3. スケーリング
超音波スケーラーを用いて、歯の表面の大きな歯石(歯冠側歯石)を粉砕して除去します。その後、最も重要な歯周ポケット内部の清掃を丁寧に行い、歯周病の根本原因である細菌の巣を徹底的に洗浄します。
4. ポリッシング(歯面研磨)
特殊なペーストと回転ブラシを使い、スケーラーによって生じた歯の表面の微細な傷をツルツルに磨き上げます。これにより、処置後に再び歯垢が付着するのを防ぎます。
5. 覚醒・当日お迎え(日帰り)
麻酔薬の注入を停止し、意識がしっかり戻り、自立歩行ができるまで院内で見守ります。基本的にはその日の夕方には歩いて日帰り退院が可能です。
犬猫の歯石除去はなぜ必要?放置する重大なリスク
「たかが歯の汚れでしょ?」と侮ってはいけません。日本獣医歯科学会のデータによると、3歳以上の犬の約80%が歯周病を抱えている、あるいはその予備軍であるとされています。
犬猫の口内は人間(弱酸性)と異なり「アルカリ性」であるため、虫歯にはなりにくい反面、歯垢がわずか3〜5日でカチカチの「歯石」へと変化します。一度歯石になってしまうと、歯ブラシでこすっても絶対に取れません。
歯石そのものは細菌の死骸の塊ですが、その表面はザラザラしており、さらなる細菌(歯垢)が付着する絶好の温床となります。これを放置することで引き起こされる重大なリスクを解説します。
激しい痛みと食欲の低下
歯周病が進行すると、歯を支えている歯肉や歯槽骨が炎症を起こし、破壊されていきます。人間と同様に激しい痛みを伴うため、「フードを食べたそうにするのに口を付けない」「硬いものを嫌がる」「口の周りを触られるのを極端に嫌がる」といった症状が現れます。食欲が落ちることで、全身の体力も低下してしまいます。
根尖周囲炎(こんせんしゅういえん)と目の下の腫れ
歯周病菌が歯の根元(歯根)の奥深くまで侵入すると、そこで膿が溜まります。これを「根尖周囲炎」や「歯根膿瘍(しこんのうよう)」と呼びます。特に上の奥歯の根元は目の下や頬の皮膚に近いため、「ある日突然、目の下がぷっくりと腫れ、破れて血膿が出てきた」という症状で来院されるシニアの犬猫が後を絶ちません。
下顎の骨折(特に小型犬に多発)
トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドなどの小型犬は、体のサイズに対して歯が相対的に大きく、顎の骨(特に下顎)が非常に薄いという特徴があります。歯周病によって下顎の骨が溶かされていくと、ソファから飛び降りた、あるいは硬いおやつを噛んだといった日常のわずかな衝撃で、顎の骨がポキリと折れてしまう(病的骨折)ことがあります。
細菌が血流に乗り、心臓・肝臓・腎臓などの内臓疾患へ
これが最も恐ろしいリスクです。歯周組織の毛細血管から入り込んだ歯周病菌やその毒素は、血流に乗って全身をめぐります。慢性的な歯周病を抱えている犬は、そうでない犬に比べて心臓(僧帽弁閉鎖不全症など)、肝臓、腎臓の慢性疾患に罹患するリスクが有意に高いことが、数々の獣医学研究で立証されています。歯周病の放置は、命に関わる内臓疾患を自ら引き起こしているのと同じなのです。
全身麻酔のリスクと「無麻酔」を推奨しない理由
「麻酔をかけるのが怖いから、無麻酔で歯石を取ってくれるサロンや病院にお願いしたい」
そう考える飼い主様の気持ちは痛いほどよく分かります。しかし、日本獣医歯科学会やアメリカ動物病院協会(AAHA)のガイドラインでは、無麻酔での歯石除去を強く反対しています。
それには、犬猫の健康を守るための明確な医学的理由があるからです。
なぜ全身麻酔が必要なのか?
歯周病の本当の原因は、目に見える「歯の表面の歯石」ではありません。「歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)の奥深く」に潜む細菌(歯下歯石・プラーク)です。
このポケット奥深くをきれいに掃除する処置は、犬猫が完全に動かない状態でなければ絶対に不可能です。また、超音波スケーラーからは大量の水が出るため、麻酔をかけて気管チューブを挿管(気道を確保)していないと、その水や削れた歯石の破片が肺に入り込み、重篤な「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こすリスクが非常に高くなります。
高齢でも大丈夫?安全に麻酔をかけるための「術前検査」
「うちの子はもうシニアだから、麻酔には耐えられないのでは……」と諦める必要はありません。
獣医学の世界には、「Age is not a disease(年齢は病気ではない)」という有名な格言があります。麻酔のリスクを決定づけるのは、実年齢の数字ではなく、「現在の全身状態(心臓や腎臓などの機能が保たれているか、持病がないか)」です。
当院では、シニアや持病を持つ子であっても安全に麻酔をかけ、無事に目覚めさせるために、事前の「術前検査」を重視しています。
- 血液検査: 肝臓や腎臓の機能、貧血の有無、血糖値などを確認し、麻酔薬を適切に代謝・排泄できる体かどうかを評価します。
- 胸部レントゲン検査: 肺の状態や、心臓の全体的な大きさを確認します。
- 心エコー(超音波)検査: 特にシニアの小型犬に多い「僧帽弁閉鎖不全症」などの心臓病が隠れていないか、心臓のポンプ機能を精密に評価します。
これらの検査結果を基に、その子の年齢や状態に合わせた「麻酔プラン(使用する薬剤の選択や点滴の量)」を組み立てます。処置中も、最新の生体情報モニターを用いて、心拍数、呼吸数、血圧、血中酸素飽和度、体温、呼気中二酸化炭素濃度を常に獣医師と動物看護師の複写の目で監視し、小さな変化も見逃さない体制を整えています。
犬猫の歯石除去に関するよくある質問(FAQ)
飼い主様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 何歳くらいから歯石除去を検討するべきですか?
A. 年齢に関わらず、「歯石がついた時」「口臭が気になった時」が検討時期です。
一般的には2〜3歳を超えると多くの犬猫に歯石が付き始めます。シニア期(7歳〜)に入ってから慌てて行うよりも、若くて体力があり、内臓が健康なうちに一度お口をリセットしておく方が、麻酔のリスクも低く、その後の健康寿命を格段に延ばすことができます。
Q2. 処置のために何日も入院する必要がありますか?
A. 基本的には「日帰り」での処置が可能です。
当日の朝にお預かりし、昼に麻酔・歯科処置を行い、夕方には飼い主様とお家に帰ることができます。ただし、重度の歯周病で何本も抜歯が必要だった場合や、持病があり夜間の点滴管理が望ましいと判断した場合は、安全のため1泊入院をご提案することがあります。
Q3. たくさん抜歯をして歯がなくなっても、ご飯は食べられますか?
A. 全く問題ありません。むしろ、痛い歯がなくなることで食欲が増す子がほとんどです。
犬猫は人間のように「歯で食べ物をすり潰して味わう」のではなく、「引きちぎって丸呑みする」習性を持っています。そのため、極端な話、すべての歯がなくなって(全抜歯)しまっても、ドライフードをそのまま、あるいは少しふやかして問題なく食べることができます。グラグラして痛む歯を放置されることの方が、犬猫にとっては遥かに大きな苦痛です。
【期間限定】歯石除去キャンペーンのご案内
ただいま「夏の歯石除去20%OFFキャンペーン」を実施中です。
飼い主様にとって、一つの大きなハードルが「治療費」でしょう。犬猫の歯石除去は、単に歯を削るだけではありません。処置中の管理費用が含まれるため、思っていたより高いと感じるかもしれませんが、「全身麻酔下での外科手術」と同等の管理を行うためです。
歯科処置の費用の目安
| 歯周病の進行度 | 処置内容の目安 | 費用の目安(総額) | 20%OFF適用 |
|---|---|---|---|
| 軽度(付着のみ) | 全身麻酔+スケーリング(歯石取り)+ポリッシング(研磨) | 6万円 〜 10万円程度 (年齢・体重により変わります) | 5万円 ~ 8万円程度 (年齢・体重により変わります) |
| 中等度〜重度 | 上記に加え、抜歯、お薬代 | 8万円程度 ~ (年齢・体重・歯の状態により変わります) | 6~7万円程度 ~ (年齢・体重・歯の状態により変わります) |
歯石除去キャンペーンについては、お電話、または公式LINEよりお気軽にお問い合わせ・ご予約ください。大切な家族の健やかな毎日のために、私たちが全力でサポートいたします。