■ 症例概要
今回ご紹介するのは、加齢に伴う脊椎変形を背景とした歩様異常を呈した犬の症例です。
後肢に力が入らず、特に方向転換時に足が崩れてしまうような状態で来院されました。
X線検査では、脊椎の複数箇所にブリッジ形成(骨性癒合)が認められ、加齢性変性疾患に伴う神経圧迫の可能性が高いと判断しました。
■ 初期治療
診断当初は、ステロイドとプレガバリン(商品名:リリカ)による神経障害性疼痛への薬物療法を開始。
しかし、第7病日時点で歩様の劇的な改善は認められませんでした。
■ エクソソーム療法の導入
飼い主の強い希望もあり、第7病日にエクソソームの初回投与を実施しました。
■ 経過と改善状況
▷ 第14病日
明らかな歩様の改善を認めました。
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右後肢の接地が安定し、立位保持時間が延長
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歩行時の左右の体幹の揺れが軽減
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後肢の沈み込みや踏み外しも減少
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関節の可動や肢の運びがより滑らかに
これらの所見から、神経伝達機能の回復あるいは局所炎症の改善が進んでいることが示唆されました。
▷ 第28病日
ターン時の崩れが完全に消失し、歩様の安定性が一層向上していました。
▷ 第38病日(エクソソーム1回目から31日後)
2回目のエクソソーム投与を実施。
▷ 第48病日(2回目投与から10日後)
歩様のさらなる改善を認め、後肢の運びや姿勢保持の安定性が明らかに向上。
飼い主からも「動きがまったく違う」との高い満足の声が寄せられました。
■ 考察
本症例では、従来の内科的治療に反応が乏しかった加齢性脊椎疾患に対して、エクソソーム療法が有効な補助治療となりうる可能性を示唆する結果となりました。
とくに、初回投与後1〜2週間での歩様改善、および2回目投与後のさらなる安定化は臨床上有意義と考えられます。
今後も継続的な経過観察を行いながら、神経疾患領域におけるエクソソームの応用可能性を検討していく必要があります。
※この記事はあくまで1症例の経過に基づいた記録であり、すべての症例に効果があることを保証するものではありません。